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セメントのより詳しい特性


  セメントとは、コンクリートを作るための材料の一つで灰色の粉末です。現在セメントは、そのほとんどがコンクリートとして使われています

   が、大別して、「ポルトランドセメント」(ポルトランドセメント=クリンカ+せっこう)、「混合セメント」(混合セメント=クリンカ+せっこう+混合

   材料)、「特殊セメント」(その他の特殊セメント)の3つに分けられます。


  「ポルトランドセメント(Portland cement)」は、その固まったものの色や硬さがイギリスのポルトランド岬から産出される建築材『ポルト

   ランドストーン』によく似ていることから、ポルトランドセメントと呼ばれています。


  セメントの種類は、本来、適材適所を旨とし、そのほか経済性や供給体制を確認してから選定することが原則となります。しかし往々に

して要求性能の一部を過大視するあまり、不適切な選定を余儀なくされることもあります。また、使用する対象(構造物)や施工方法、施

工条件によっても使用するセメントが異なる場合もあります。


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icn_mstr_arrow4早強ポルトランドセメント
  早強ポルトランドセメントは、構成化合物の75~80%を占める「けい酸カルシウム化合物」について、初期強度発現性に優れるエーライト  

(C3S)の構成比率を相対的に増加させるとともに、セメントの粉末度も高めることなどにより、普通ポルトランドセメントよりも初期に高強度

を発現できるよう調整されたセメントです。


1.初期強度が大きい

  セメント構成化合物のうちエーライト(C3S)の含有量が多いことや、比表面積が高いことから材齢7日で普通ポルトランドセメントの

  材齢28日強度に匹敵する高強度を発現します。


2.長期強度が大きい

  早強ポルトランドセメントは初期強度発現性に優れるとともに長期材齢においても強度発現性に優れ、普通ポルトランドセメントを上回る

  高強度を発現します。


3.養生期間が短縮できる

  普通ポルトランドセメントと比べ、セメントの硬化が早く、初期の強度発現性が大きいことから養生期間が短縮できます。


4.低温時でも強度発現性が大きい

  早強ポルトランドセメントは低温条件においても、良好な強度発現性を示します。また、水和熱による発熱も大きいことから所要の養生

  温度や初期強度の確保が難しい冬期や寒冷地での工事に最適です。初期強度発現性に優れ、工期短縮に応えます。


5.蒸気養生特性が優れている

  早強ポルトランドセメントは短時間の蒸気養生で高強度が得られますので、早期脱型や早期出荷が必要なコンクリート製品などに最適

  です。


6.水密性や耐久性が大きい

  普通ポルトランドセメントに比べ、初期の水和活性度に優れているため、早期に緻密な水和物が形成されるので、水密性や耐久性に

  優れたコンクリートが得られます。


7.用途

    寒中コンクリート、凍結融解作用を受けるコンクリート、高強度コンクリート、緊急工事用コンクリート、プレストレストコンクリート、

   各種コンクリート製品

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icn_mstr_arrow4高炉セメント
  高炉セメントはポルトランドセメントに高炉スラグ微粉末を所定量混合して製造されたセメントです。高炉スラグ微粉末は溶鉱炉で銑鉄を

製造する際に副生する溶融状態の高炉スラグを水などで急冷固化し微粉砕したもので、セメントの水和反応で生成した水酸化カルシウ

ムなどのアルカリ性物質や、石膏などの刺激により水和・硬化する「潜在水硬性」と呼ばれる性質をもっています。このため、高炉セメン

トでは配合された高炉スラグ微粉末の潜在水硬性が長期にわたり発揮され、緻密で安定な硬化体組織を形成しますので、長期強度発

現性や化学抵抗性に優れたコンクリートを製造することができます。
  高炉セメントは混合される高炉スラグ微粉末の分量により、A種(5を超え30%以下)、B種(30を超え60%以下)、C種(60を超え70%

以下)の三種類に分類されますが、その中でもB種が最も多く生産され、幅広い分野で使用されています。


1.長期強度が大きい

  高炉セメントは、普通ポルトランドセメントに比べて初期強度は若干低めの傾向にありますが、スラグの潜在水硬性の発現により

  長期にわたり強度が増進します。


2.化学抵抗性・水密性に優れる

  セメントの水和によって生成する化学的に不安定な水酸化カルシウムが、高炉スラグ微粉末と反応して安定で緻密かつ強固な

  硬化体組織を形成しますので、化学抵抗性が改善されるとともに水密性も向上します。


3.アルカリシリカ反応抑制効果がある

  高炉セメントは、セメント中に含まれるアルカリ量が普通ポルトランドセメントに比べて少ないことなどから、アルカリシリカ反応を

  抑制する効果があります。このため、関連諸規格でもアルカリシリカ反応抑制対策として、高炉セメントB種・C種の使用が推奨

  されています。


4.用途

    一般土木工事、河川・港湾・上下水道工事、一般建築構造物の基礎工事、道路・トンネル・鉄道工事、ダム・橋梁・地中梁等の

    マスコンクリート

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icn_mstr_arrow4中庸熱ポルトランドセメント
  中庸熱ポルトランドセメントは、構成化合物のうちエーライト(C3S)、アルミネート相(C3A)の含有量を少なくし、ビーライト(C2S)の含有量

を多くすることにより、水和熱の抑制をはかるとともに長期強度発現性を改善したマスコンクリート用セメントです。


1.水和熱が低い

  中庸熱ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメントに比べ、水和に伴う発熱量が小さいため、コンクリートの断熱温度上昇量

  が小さく、温度ひび割れの抑制が可能となります。


2.長期強度が大きい

  セメント構成化合物のうち長期材齢における強度発現性に優れたビーライト(C2S)が多く含まれているため、長期強度発現性に

  優れています。


3.収縮が小さい

  自己収縮や乾燥収縮の大きいアルミネート相(C3A)の含有量が少ないため収縮を低減できます。


4.化学抵抗性が大きい

  化学抵抗性の小さいアルミネート相(C3A)の含有量が少ないため、硫酸塩などに対する化学抵抗性が大きくなります。


5.用途

    重力式・RCD等のダム用コンクリート、大規模な橋脚工事、原子力発電所施設等のコンクリート、地下構造物等のコンクリート、

  建築構造物の壁状部材・地中梁・基礎フーチング・ベースマット等のコンクリート、舗装用コンクリート

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icn_mstr_arrow4低熱ポルトランドセメント
  低熱ポルトランドセメントは、セメント構成化合物のうち水和発熱量が小さく、長期強度発現性に優れるビーライト(C2S)の比率を増加

させるとともに、その他の化合物の構成比率を最適化することにより、混合材を全く使用することなく、セメントの低発熱化を実現しました。

このため、他の混合系の低発熱セメントに比べ、長期強度発現性や耐久性に優れるなど、多様化するニーズにも幅広く応えられる

低発熱セメントです。


1.温度ひび割れの抑制に有効

  水和発熱量が小さいため、コンクリートの断熱温度上昇量が小さく、また、発熱速度が小さいため、温度応力によるひび割れの

  抑制に有効です。


2.長期材齢での強度発現性に優れる

  セメント構成化合物のうち長期材齢における強度発現性に優れたビーライト(C2S)が多く含まれているため、長期にわたり強度

  が増進します。また、低水セメント比においては長期材齢で他のセメントを上回る高強度を発現します。


3.高流動・高強度コンクリートに最適

  混和剤を吸着しやすい間隙質相が少ないため、単位水量や高性能AE減水剤の低減がはかられることにより、高流動・高強度

  コンクリートの製造に最適です。


4.化学抵抗性に優れる

  化学抵抗性の小さいアルミネート相(C3A)の含有量が少ないため、硫酸塩などに対する化学抵抗性が大きくなります。


5.自己収縮が小さい

  初期の体積変化の主原因となるアルミネート相(C3A)の含有量が少ないため、他のセメントより自己収縮が小さくなります。


6.中性化の抑制に有効である

  高炉スラグ微粉末やフライアッシュを混合材として使用した混合系低発熱セメントと異なり、クリンカタイプのセメントであるため、

  コンクリートのアルカリ性が長期にわたり保持され、中性化の進行を著しく遅延することができます。


7.用途

    建築構造物の壁状部材・地中梁・ベースマットなどのマスコンクリート、LNG地下タンクの連続壁、側壁などの高流動・高強度

   コンクリート、超高層鉄筋コンクリート構造物の柱・梁などの高流動・高強度コンクリート、河川・港湾構造物のコンクリート、RCD

    工法などのダム用コンクリート

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icn_mstr_arrow4フライアッシュセメント
  フライアッシュセメントは、火力発電所などの微粉炭ボイラーの燃焼排ガス中から回収された、微細な石炭灰であるフライアッシュを

混合材として用いたセメントです。
  このフライアッシュは非晶質の二酸化ケイ素を主成分とする球状の微粒子であり、これを配合したフライアッシュセメントを使用すると、

コンクリートのワーカビリティーが大幅に改善されるとともに、活性化したガラス質のフライアッシュがセメントの水和によって生成した

水酸化カルシウムと反応して緻密な硬化体組織が形成されます。
  フライアッシュセメントは、混合されるフライアッシュの分量により、A種(5を超え10%以下)、B種(10を超え20%以下)、C種(20を

超え30%以下)の三種類に分類されますが、その中でもB種が最も多く生産されています。
  また、近年はベースセメントに中庸熱ポルトランドセメントを使用し、水和熱を一段と低減した中庸熱フライアッシュセメントもダムなどの

マスコンクリートの分野でご採用いただいております。


1.長期強度が大きい

  ポルトランドセメントの水和反応により生成する水酸化カルシウムとフライアッシュが反応するいわゆる「ポゾラン反応」により、

  長期にわたり強度が増進します。


2.ワーカビリティー(施工軟度)が優れる

  フライアッシュはそれ自体が球状な微粒子であり、ボールベアリング的作用により、コンクリートの流動性が改善され、単位水量が

  低減できます。


3.水和熱が小さい

  フライアッシュのポゾラン反応による発熱は、ポルトランドセメントの水和発熱量に比べて小さいため、フライアッシュセメントの水和熱

  は小さくなります。


4.水密性や化学抵抗性が大きい

  ポルトランドセメントの水和反応により生成する水酸化カルシウムとフライアッシュのポゾラン反応により、安定な化合物を生成し、

  緻密な組織を形成するため、水密性や化学抵抗性が向上します。


5.乾燥収縮が小さい

  フライアッシュセメントを使用したモルタルやコンクリートは、普通ポルトランドセメントに比べて単位水量を減少させることができる

  ため、乾燥収縮が小さくなります。


6.用途

    一般土木工事、一般建築構造物の基礎工事、ダム・橋梁等のマスコンクリート、河川・港湾・トンネル工事、グラウト工事

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icn_mstr_arrow4ホワイトセメント
  ホワイトセメントは、一般のポルトランドセメントの呈色成分である酸化第二鉄(Fe2O3)および酸化マグネシウム(MgO)を少なくする

ことによって白色化したセメントであり、基本的な性質は普通ポルトランドセメントとほぼ同等です。
  また、ホワイトセメントは顔料を混ぜて自由に着色できることから、建築物の内外壁や装飾用、コンクリート製品などに使用されています。


1.色合いが純白である

  ホワイトセメントのハンター白色度(0~100までの尺度で100が純白)は、93程度でほぼ純白です。


2.基本的な物性はポルトランドセメントと同等

  普通ポルトランドセメントと比べて、材齢3日と7日の圧縮強さがやや上回る傾向がありますが、その他の基本的な物性はほぼ同等です。


3.自由に着色できる

  コンクリートの骨材や顔料を変えることによって、自由に着色ができます。


4.耐久性が大きく水に侵されない

  ホワイトセメントは、プラスター類とは異なり、水や風雨に対して充分な耐久性、耐候性をもっています。


5.用途

    レディーミクストコンクリート(打放し仕上げ)、記念碑・道路用製品、建築用プレキャストコンクリート、テラゾタイル・テラゾ製品、

  化粧コンクリートブロック、左官用

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icn_mstr_arrow4GRCセメント
  GRC(GlassfiberReinforced Concrete;ガラス繊維補強コンクリート)は薄肉軽量で造形性や意匠性に優れるため、建築の内外壁・

天井・床材、防音壁、エクステリア製品など、幅広い分野で使用されてきました。
  しかし、普通ポルトランドセメントを使用した場合には、セメントの水和に伴って生成する水酸化カルシウムの影響により、硬化体が高アル

カリ性(高pH)となるため、耐アルカリ性ガラス繊維を使用してもGRCの長期強度が低下することや、富調(配)合で部材断面が薄いため、

GRCの乾燥収縮が大きく、部材にひびわれや反りが発生するなどの問題点が指摘されていました。
  GRCセメントは、ポルトランドセメントの組成化合物であるけい酸カルシウム(C3S、C2S)に、水和によって生成する水酸化カルシウムを

全て消費できるようアウイン(C3A3・CaSO4)、石膏、高炉スラグ微粉末などを配合した低アルカリ性、低収縮性の特殊セメントであり、

従来のGRCの欠点とされてきた長期強度の低下を解消するとともに、乾燥収縮が非常に小さいため、これまで不可能とされていた大型

タイルパネルの打ち込みなど新しい分野へのGRCの適用を可能としました。


1. ガラス繊維の補強効果が持続し、経年劣化が極めて少ない


2. 乾燥収縮が少なく、寸法安定性に優れる


3. 低アルカリ性のため、有機塗料の付着性に優れる


4.用途

    カーテンウォール、エクステリア製品、防音壁、内装材・天井材・床材、永久型枠

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icn_mstr_arrow4エコセメント
  私達の日常生活から大量に発生する都市ごみは、大半が焼却処理され、その焼却した際に発生する焼却灰のほとんどは埋立処理

されています。現在、日本国内で発生している焼却灰の量は年間約600万トンもあり、最終処分場の不足や埋め立てによる環境へ

の影響等が大きな社会問題になっています。
  このような状況の下、焼却灰や下水汚泥等の廃棄物の主成分がセメント原料である石灰石・粘土等と類似していることに着目し、

「廃棄物を安全かつ有用な土木建築資材に再生する」というコンセプトにより生まれたものが「エコセメント」です。
  エコセメントは、94年には通産省(現経済産業省)のプロジェクトとして採用され、4年間の実証研究を経て97年に確立された技術です。


1.循環型社会の構築に貢献

  エコセメント技術は、環境省より焼却灰の適切な処理方法としての評価のほか、CO2排出の少ないセメント生産技術として地球温暖化

  防止活動大臣表彰を頂いております。


2.基本的な組成はポルトランドセメントと同様

  エコセメントはクリンカー鉱物としては、一般のポルトランドセメントと同様にC3S、C2S、C3AおよびC4AFからなります。


3.環境保全性・安全性の確保

  エコセメントを用いたコンクリートからの重金属溶出量は、環境省の定める土壌の汚染に係る環境基準をいずれも下回ることが

  確認されています。また、都市ごみ焼却灰に含まれるダイオキシン類は、製造過程(焼成温度1350℃以上)でCO2、H2O、

  CaCl2に分解・無害化されます。


4.エコセメントのLCA評価

  エコセメントは天然資源だけで製造された普通ポルトランドセメントに比べ、環境に与えるインパクトが少なく、地球環境保全に

  大きく貢献していることが分かります。


5.用途

    普通エコセメントは普通ポルトランドセメントと同様にさまざまな分野での利用が可能です。

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icn_mstr_arrow4ハイアキュラス
  ハイアキュラスは繊維補強コンクリートパネル用に開発された低収縮セメントです。
  これまで、繊維補強コンクリートパネルの寸法安定性の改善や、高強度化を図るための手段としては、オートクレーブ養生が採用されて

おりましたが、天然石やタイルなどを先付けしたパネルではこれらの表面材が変色したり、有機繊維を使用した場合には高温・高圧条件

下で繊維が変質するなどの様々な問題点が指摘されていました。
  ハイアキュラスは蒸気養生を行うだけで、優れた寸法安定性と高強度を有するパネルの製造が可能であり、オートクレーブ養生は不要と

なりますので、有機繊維や炭素繊維などの繊維補強コンクリートパネルや、天然石、タイル、セラミック板などを先付けするコンクリートパ

ネルの製造に最適です。


1. 蒸気養生だけで優れた寸法安定性・強度発現性が得られる


2. 乾燥収縮が小さい


3. 有機塗料の付着性に優れる


4.用途

    カーテンウォール、エクステリア製品、内装材・天井材